ガンガンと窓を叩く。
ガラスは頑丈なのかヒビすら入らない。
それでも何度も何度もたたきつけた。
こんな戦い間違ってる。
「すべて持っている貴様に、俺の気持ちなんてわからない」
「貴様の気持ちだと」
「俺には何もない。同じ日に生まれたのに。黒い羽を持つというだけで俺は忌むべきものとされた。その気持ちが貴様にわかるか」
きっと、苦しんできた。
孤独に。
絶望に。
打ちひしがれてきた。
ただただ。
復讐の事だけを想って。
「見えてないだと。ふざけるな。俺を護り信じてくれるもの?そんなもの、初めから持っていない!」
避けるだけだったデモンがぶりをつけカインを蹴り上げた。
思い切り蹴り飛ばされ地面に身体を叩きつけられる。
「カイン!」
届かない声が、もどかしい。


