やだ、恥ずかしい。
私は顔を俯かせ、ギュッとナイフとフォークを握りしめた。



「おい」

「はっ」



カインが、近くに控えていたシモンさんに声をかけた。




「箸を2膳持って来い」

「箸、でございますか?」

「早くしろ」

「かしこまりました」




シモンさんが一度下がり、箸を持ってきた。
一膳をカインが受け取るともう一膳を私に持ってきた。



「え・・・」

「別に、箸で食べればいい。ここは、俺の城の中。今は、身内しかいないからな」

「あ・・・、ありがとう」



私が、使い辛いの気づいてくれたんだ。
少しは、いい奴なのかな。

私はありがたく箸を使って食べた。
ちらっと見ると、私にあわせるように、カインも箸で食べている。