私はベッドの上に手を固定されて寝かされている。
身動きが取れない。
「傷の手当は終わっています。あとは安静にしていてください」
「ど・・・して・・・」
「聞こえませんでしたか?安静に」
シモンさんはそう言うと去っていった。
残された私は、一人。
ここは、どこなんだろう。
シモンさんはやっぱり裏切り者だったんだよね。
だということは、悪神たちのアジトとかそういう感じの場所なのかな。
カインは・・・。
カインの事、護れたんだろうか。
カインの前に飛び出した後の記憶がない。
あの後、どうなったんだろう。
どうして私は、ここにいるんだろう。
なんの、ために?
「目を覚ましたと聞いたが」
突然聞こえた声にドキリと胸を打つ。


