うつらうつらと目をあけた。 ぼんやりと視界が開けてくる。 ここはどこ。 痛い・・・。 「目が覚めましたか」 聞き覚えのある声に、ホッとした。 でも、すぐに違うと気付く。 この声は。 「シモン・・・さん・・・」 絞り出した声は思いの外掠れていた。 声が出ない。 出そうとすると、体中が痛くて。 「あまりしゃべらないほうがいいですよ。命に関わりますから」 呼吸をするのも痛みが走って、顔を顰めた。 ここはどこだろう。 薄暗くて怖い。