「でも」
不意に、影ができ次の瞬間俺の腕からももこが浚われる。
「やめろ!」
伸ばそうとした手は、シモンによって塞がれた。
身体を捩り抜け出そうとするが、神たちの傷の影響を受けた今の身体ではうまく力が出せない。
ももこはデモンの腕に抱かれていた。
「放せ!ももこに触れるな!」
「もう二度と俺の前に現れるな。そうおっしゃったのは、カインさまでしょう」
俺を抑えつけていたシモンが耳元でささやく。
目を見開き、自分が言った言葉が頭の中で響いた。
ひどく傷ついた顔をしたももこの表情が浮かぶ。
「まだ、利用価値はありそうだ。もらっていくよ」
「やめろ。放せ・・・。ももこを返せ!」
伸ばした手は届くことはなく。
ももこを連れ、姿を消したデモン。
同じくして、空に舞う黒も一瞬にして消えた。
「ももちゃん・・・!」
ガクッと膝を折り倒れこむ。


