「・・・無事・・・?ケガ・・・してな・・・い?」

「ど、どういう事だ、これは・・・」



ももこに触れると、ももこは焦点の定まらない瞳を俺に向けそう言った。
なにを言っている。

怪我をしているのはお前だ。



待ってくれ。
これは、どういう事なんだ。
なぜももこが。


なぜ、こんな事になっている。





「どう・・・して・・・」




スイの声に顔をあげた。
震えるその声に、胸騒ぎを覚えた。



そうだ。
なぜももこが。



誰が。





「・・・しくじりましたね。まさか飛び込んでくるとは」





そこに立っていたのは、見知った人物であるのに、見たことのない表情を浮かべるシモンだった。