「ももこさま、お食事の用意が整いました」



部屋に戻っていた私をモリアが呼びに来てくれる。
正直行きたくなんてなかったけど、お腹は当たり前のようにすくし。
仕方なく立ちあがって扉を開けた。



「案内いたします」

「・・・ありがとう」



モリアは悪くない。
怒りたい気持ちをぐっとこらえ、ついて歩き出す。




「カインさまもご一緒されるので、その様に」

「えっ、あいつも!?」

「あいつ、ではございませんよ。いくら婚約者様とはいえカインさまとお呼びください」



軽く咎められてしまった。
そうだよね、優しいからと言って私の味方じゃない。
私の面倒を見てくれてるのだって、あいつの指示があったからなのだし。

少し、勘違いしていた。



皆、敵なんだ。



私は固く拳を握りしめた。