いつもみたいにカインと向かい合って座る。
でも、今までとは違う。

カインは、こちらを見てはくれない。



空気も、ものすごく重い。



来なければよかった。
前みたいに、カインと食事ができるかもなんて・・・。



そんなの、甘い考えだった。



早く食べて部屋に戻ろう。



そう思い、手を伸ばす。
見るとカインも食事に手を伸ばすところだった。




「お待ちください!」



慌てた様子のシモンが入ってくる。
カインが口に運ぼうとした食事の手を止めシモンを見る。


私も同じように手を止めた。