ゆっくりと瞳を開けた。
見覚えのある天井。



ここは、・・・私の部屋?



視線を動かすと、窓には新しいカーテンが付けられ外を遮るように閉められていた。




「目が覚めたようですね」



ヒンヤリとした冷たい声に視線を向ける。
モリアが、感情を映さない表情で私を見ていた。



「モリア・・・私、どうして・・・」

「天上界で倒れているところを連れ戻されました」

「・・・そっか」




私、結局・・・。
本を取り返すことも、なにもできなかった。


ズキズキと痛む身体。
身体を見ればあちこち包帯が巻かれている。


でも、一番痛むのは身体じゃない。


心だ・・・。