「でも、そんな弱ったりとか、病気とか?」

「それだけとは限らない。病気くらいなら崩れたりはしないよ。命の危険とか」

「え、そんな命が狙われたりするの?」

「もちろん。この天界を乗っ取ろうとする奴らにとっては、カインを狙うのが一番手っ取り早い」




天界を乗っ取ろうとする奴ら・・・か。
天界って、思った以上に物騒なのかな。



「そのうち、ももちゃんも知ることになるよ」

「え?」

「こっちこっち!」




スイは私の手を引いて走り出す。
私は慌ててそれについていった。


その先に広がる景色に私は息をのんだ。


少し下の方に同じような雲がいくつも浮かんでいる。
そこにはぽつぽつと家のようなものが建てられていて、その雲同士は同じ雲でできている橋が架けられている。
この城がある雲は、その下の雲と雲の階段で繋がれている。




「すごい・・・」