カーテンやシートを繋ぎ合わせて紐を作っていく。
扉からは出られない。

だとすれば、窓から出るしかない。
下手すれば落ちて死んでしまうかも。


それでも。
なにもしないでここにいるよりはましだ。



テラスの手すりに固く結びつけ長くなった紐を下まで垂らす。
なんとか下まで届いている様子。




「よし」



食事の時間まではあと2時間近くある。
私の部屋に誰かが来ることはない。


もしかしたらもう、戻って来れないかもしれない部屋を振り返り私は強く頷いた。



強く紐を掴みゆっくり体をおろす。



「わっ」



思った以上に手に重みがかかる。
必死に落ちないようにゆっくりと降りていった。