それから数日、私は部屋から一歩も外に出してもらえず一日中を部屋の中で過ごした。
外の様子も、調査の進行具合も何も知らされず、外との接触は定期的に運ばれてくる食事の時だけ。



「モリア、あの」

「1時間後下げに来ますので、それまでに済ませておいてください」

「お願い、聞いてモリア」

「申し訳ありません。必要以上の接触は控えるように言われていますので」



目を合わせてくれないモリアに唇を噛む。
がらりと変わってしまった対応に私は胸を痛めた。

モリアはもともと、カインの命に従って私の面倒を見てくれていたんだ。
こうなるのは、当たり前。



「・・・困らせて、ごめんなさい」

「・・・いえ。失礼します」



諦めた私はモリアの袖を掴んでいた手をダランと落とし俯いた。
バタンと閉じられた扉に、ひどく孤独を感じた。



クヨクヨなんてしていられない。
どうにかしなくちゃ。


泣きそうになる気持ちを奮い立たせる。




あの人を探しに行こう。
あの、魔神の右腕だと言われていた黒づくめの男の人。



私は腹ごしらえをするため、無理やり食べ物を詰め込んだ。