いったい何事だろう。
いつでもニコニコと笑顔で接してくれるモリアが、今日は雰囲気が違う。
笑わないし、とても思いつめた表情。



「モリア?どうしたの?今日、なんか変・・・」

「いえ、なんでもありません」



ぴしゃりと、切り捨てられるようにそう言われる。
なんでもないようには、見えないんだけどな。

私が連れてこられたのは、カインの執務室。
あまり普段来ることのない場所だ。




「カインさま、ももこさまをお連れしました」



モリアがそう告げると、中から、低い声で入れ、と声がかかった。
モリアに促され中にはいると、そこにはカインだけではなく神のみんなと、シモンさんの姿もある。

いつになく、異様な空気に思わず足を止めた。



「え、何・・・?」

「もう少しこちらまで来い」




カインにそう言われ、戸惑いながら前に進んだ。