薄暗い部屋の中。
重苦しい雰囲気が漂う。


その部屋の中には、二人の人影が静かに向かい合って立っていた。




「どういうつもりですか」

「・・・ごめんなさい」

「勝手な行動は慎んでください」

「わかってる、でも・・・!」




責め立てられた一方は、抗議の声を上げるが思いとどまり俯いた。





「最初の作戦はもう使えないでしょう」

「じゃあ・・・」

「ですが、まだ手はあります」




企みの笑みを浮かべたその人物は、そこで話は終わりとでもいうように踵を返す。




「あの方のため、しっかり頑張ってくださいよ」




そう言い残して、一人取り残したまま部屋を出た。