私が目を覚ますと、そこは自分の部屋だった。
カインが、運んでくれたんだろうか。

パチパチと数回瞬きをすると、身体を起こした。
両手に包帯が巻かれている。

扉を叩きすぎた時に傷ついてしまっていたんだろうか。

手を閉じたり開いたりして見るとズキズキと痛みが走った。



「ももこさま、お目覚めになりましたか」

「あ・・・モリア。うん。ごめんね、心配かけて」

「いえ。僕は何もできずに・・・、すみません。僕はももこさまの執事なのに」




申し訳なさそうに頭を下げるモリア。
自分を責めないでほしいのに。

モリアのせいじゃないんだから。



「頭をあげて。モリアのせいじゃないよ。だから、謝ったりしないで」

「ですが・・・」

「本当に、大丈夫だから」




そう言って笑うと、モリアは悲しげに眉を下げた。