誰か・・・。



ダンダン!
扉の向こうから、扉を叩く音と振動が響いた。
私はハッと顔をあげ、躊躇いながら手探りで扉に近寄る。

誰・・・?
私を助けに来てくれた人?
それとも。



「おい!ここに誰かいるか!?」



扉の向こうから聞こえた声に、息が詰まる。
こみ上げてきた涙でうまく声が出ない。


カインだ。
間違いなく、カインの声だ。



「・・・いないか」



諦めたような声が扉の向こうから聞こえて慌てて扉にぶつかるように縋った。
行かないで。
お願い、私がいるよ。

涙で声が出なくて、しゃくりあげるように泣きながら扉を思い切りたたく。
気づいて、気づいて、気づいて。



「ももこか!?そこに、いるんだな!?」



焦ったようなカインの声が戻ってくる。
気づいてくれた。