カインが、ももこを探しながら歩いているとその先に、ミイナの姿を見つけた。
「おい」
後ろから呼びかけると、カインの声に気づいたのか笑顔を浮かべしとやかに振り返った。
「まあカインさま。カインさまから声をかけていただけるなんて嬉しいですわ」
「あの女を見なかったか」
「あの女、ですか?」
「ももこの事だ」
カインの言葉に一瞬眉を顰めたが、すぐに表情を変えにっこり笑う。
そして首をかしげて続けた。
「さあ。お会いしていませんわ」
「・・・そうか」
カインはじっとミイナを見つめるが、そう呟くとミイナを素通りして歩き出した。
そんなカインを、悔しそうに見つめるミイナ。
「どうしてあんな女・・・」
カインに気づかれないよう小さな声で呟いた。


