「カインさま。あの、ももこさまを見ませんでしたか?」
廊下を歩いていたカインを呼び止め尋ねたのは、モリア。
カインは足を止めモリアを見ると眉を寄せる。
「どういう事だ」
「それが、部屋におられなくて・・・。散歩に出られたのかと少し城内や庭を探してみたのですが、姿が見えないんです」
「いつからだ」
「昼食を下げた後、3時に紅茶を持っていったときにはもう・・・。それから探しているのですが・・・」
モリアは不安そうに眉を下げる。
どこに行ってしまったのか。
「もしかしたら、他の神さまのところかもしれませんし」
「いや。今日は皆各自の仕事で忙しいはずだ。こっちでも探してみよう」
「あ、いえ、僕が」
「ちょうど仕事もすんだ。あいつもなにをしでかすかわからんしな」
そう言って優しく笑ったカインを見て、モリアは驚いたように目を丸くした。
そんな風に笑うカインをあまり見たことがなかった。
ももこが来て、カインは変ったとモリアは少しうれしく思った。


