「あれ、ヨウさん。なにをしているんですか?」

「ん?ああ、ももこさん。おはよう」

「おはようございます」



朝、ご飯を食べに向かっていたら廊下でなにやらゴソゴソしているヨウさんを見つけた。
手に持っているのは花瓶と、綺麗な花束。




「お花?綺麗・・・」

「ああ、うん。花を買いに行ったついでにここにもと思って」

「ついでですか?」

「・・・うん」




ヨウさんはどこか寂しげに微笑んだ。
首をかしげながら、何か言いたくないことなのかとそれ以上聞くのをやめる。



「私も手伝います」

「でも、これから朝食でしょう?大丈夫ですよ。私一人でできますから」

「でも」

「これを運ぶだけなんです」



ニコリとそう言われ私はそれ以上何も言えなかった。
いつも優しいヨウさんと変わらないはずなのに、どこか拒絶されたように感じるのは、なんでだろう。