なんだか、変・・・。
なんでこんなにドキドキするんだろう。
カインもなんだか変だし。
「か、帰るね」
「あ、ああ・・・」
「まだ完全じゃないんだから、ちゃんと休まないとだめだよ」
「わかっている。でも、いつまでも休んでいるわけにはいかないからな」
立ち上がると、入り口に向かって歩く。
「じゃ、じゃあね」
「ああ」
振り返ってそう言うと、カインは優しく微笑んで手を挙げた。
私も小さく頷いて手を軽く振りかえす。
どぎまぎしたまま外に出ると、扉を閉め深く息を吐いた。
な、なんなの、この気持ち。
カインが変なことするから。
珍しくあんな風に笑うから。
カインのせいだ。


