「私・・・、自分の事が許せない」
「気にするなといっているだろう」
「でも!私、ずっと逃げてた。カインからも、現実からも」
「お前は何も知らなかったんだ。当然だろ」
カインの部屋で向かい合って座る。
拳をぎゅっと膝の上で握って俯きながらしゃべる。
「でも・・・」
「お前は、いつもそんな顔をする」
「え?」
「あいつらにはよく笑っているのに」
顔をあげると、カインは少し悲しげに笑って私を見る。
どうしてそんな顔をするの?
「俺には、笑ってはくれないのか?」
「え・・・?」
カインが肩ひじをつきながら、フッと落とすように笑った。
その表情に、ドキッとする。


