イセさんに突き付けられた現実は、抗いようもない事実で。
私さえいなければ、私がいなければカインは・・・。
「私がいなかったらカインは・・・、こんな目に遭わなかった・・・。そんな事、わかってる。私が・・・私がいたから・・・」
「違う!俺が言いたいのは、そういう事じゃないんだよ!」
座り込んだ私の肩を掴み乱雑に揺らしながらイセさんが私の顔を覗き込む。
必死に歪んだ顔が私を見つめた。
涙で滲んだ視界では、イセさんの表情ははっきりとは映らなかった。
「馬鹿なももこちゃんに教えてあげるよ。君がどうしてここにいるのか」
「え・・・」
「イセ!」
「知らないから簡単にカインを責めれるし、本当の事が見えないんだ。ももこちゃんは知らなきゃいけないんだよ」
ヨウさんがイセさんを咎めるように叫んだけど、イセさんは聞く耳を持たず真っ直ぐ私を見据えた。
私が、どうしてここにいるのか。
その理由を私以外のみんなは知ってる?