「とりあえず、今日はお疲れでしょうから。ここでゆっくりなさってください。食事の時にはお呼びしますから」

「ありがとう」



ここでごねたところで、人間界に戻してくれるとは思えないし。
どうにか、私があの男の婚約者として認められなければいいのよね。

あいつに、嫌われたらいいのよ。
そんなの簡単。


あんな男なんか、とことん反発してやるんだから。



「あの、散歩とかしても大丈夫?」

「かまいませんが、あまり遠くへは行かれないように。危険ですので」

「危険・・・?」

「恐ろしいものも、天界にはおりますから」



モリアはそう言うと部屋を出て行った。
広い豪華すぎる部屋に残された私。

こんな部屋、見たことないよ。


お嬢様、みたいな豪華なフリル付きのベッド。
ラブリーな小物がたくさん置いてある。


とっても、不釣り合いな気がする!




なんだか、落ち着かない。