「あの」
「それは、なんと言う花だ」
「え・・・。あ、私もよく知らないんです。見たことない花で・・・」
淡々とした抑揚のない口調に少し怖いとすら感じる。
瞳もとても冷たく、表情の変わらない顔。
カインも、あまり表情の変わらない人だけど、この人はそれ以上に冷たく、ダークな雰囲気を醸し出している。
ピリピリとした、張り詰めた空気を感じ足がすくみそうになる。
わからないけど、なにか危険な感じがするのはなぜだろう。
これ以上、この人と一緒にいたらいけない。
そんな風に思うのは、なぜ?
「ご、ごめんなさい。私もう戻らないと・・・」
それは本能か。
踵を返し家の中に入ろうとした私。
でも。
「あっ」


