今度はカインの方から攻撃を仕掛けていく。
強く地面をけり上げ一気に距離を詰めると素早く剣を振り切った。

悪神は素手でその剣を掴んだ。



「貴様は、結局この程度なのさ!貴様には、なにも護れない!」

「黙れ!」

「あの人間の女もな!」




醜く歪んだ悪神の顔。
その口から発せられた言葉に、カインの表情が変わる。



「今、なんと言った」

「お前が、大事にしているあの人間の女だよ!調べはついている!」

「・・・っ、あいつになにかしたら貴様ら・・・!」

「お前に、なにができる」




おかしげに高笑いをあげる悪神に、カインが怒りのままに剣を振るう。
その剣は悪神の腕を切り裂き、ごとっと音を立て腕が落ちた。



「もう手遅れだ!デモンさま直々にあの娘のもとに向かっているのだからな!」




痛みも感じないように悪神はそう高笑いをあげながら言った。