カインの指示通り、天上界に応援を送ると、その時を待っていたかのように悪神たちが城を襲ってきた。



「カインさま!城の奥へ!」




シモンが声を荒げカインを連れ立っていく。
神たちはそんなカインを護るように立ちはだかり戦闘態勢に入った。



「俺の事はいい。お前も戦闘に加われ」

「しかし、私にはカインさまをお守りするという使命が!」

「俺の命令だ。さっさといけ」




シモンは少し考えると、少し悔しげに表情を歪め深く頭を下げた。




「必ず、お逃げください」

「・・・ああ」

「片づけて、すぐに後を追います」




シモンはそう言うと踵を返していく。
それを見送ることもせずカインはただ歩き進めた。


逃げる事しかできない自分に、苛立ちながら。