「とにかく、話を進めるぜ。ここのところ、悪神の動きが活発になってる」



ライが少しイラつかせた口調でそう切り出した。
フウカは黙ったまま、心配そうに事の成り行きを見守っていた。




「天上界も時々悪神が暴れていると報告を受けてる」

「天上界に常駐させている騎士たちが必死に対抗してはいますが、あまり思わしくない状況ですね」




ライの言葉に付け足すようにヨウが話す。
眉間に一層皺を増やしたカインが、乱暴に資料を机に放ると立ち上がった。




「城からも、天上界に応援をよこす」

「ですが、ここを手薄にするわけには!」

「そうだよ!カインを襲ってくれって言ってるようなもんじゃん!」




城を手薄にするという事は、カインを護る者が減るという事。
そもそも、悪神の狙いは総紳であるカインなのだ。




「それじゃあ、あいつらの思うつぼだろうが!」

「俺の決めたことに指図するな。黙って、さっさと行動を起こせ」



カインはその言葉たちを聞き入れず、広間を出て行ってしまった。
憤りを隠せない神たちはそれぞれに拳を握り唇を噛みしめた。