「私の事は、なんて聞いてるの?」

「ももこさまの事は、カイン様の大切な奥方様になる方だと」




奥方様・・・っ。
私、なるなんて一言も言ってない!



「違うのよ・・・。あいつが勝手に言ってるだけなの」

「ですが、カインさまがおっしゃることは、絶対なので」

「え・・・」



あいつが、勝手に言ってただけじゃないの?
本当に、逆らえないってこと?


そんな・・・。




「それに、カインさまの奥方というのは、本当に誇り高いことなんですよ。総紳であるカインさまの奥方というのは、カインさまと同等なほどの権力を持てるのです」

「同等の権力・・・。そんなの、いらないよ」

「ですが、人間が奥方に・・・。それは前代未聞でございますね」



やっぱり、変な事なんだ。
じゃあ、どうしてカインはわざわざ私なんかを・・・。


いい迷惑よ。


どうにか、わかってもらわなくちゃ。