ヨウさんと話した帰り私は自分の部屋に戻る途中、カインの部屋の前を通った。
普段はあまり気にしないカインの部屋。
だけど、今日はヨウさんに話を聞いてすぐだから少し気になって立ちどまった。
総神と、神の関係性。
カインが隠していること。
カインが抱えているもの。
私は、まだ本当に何も知らないんだ。
「―――紹介しろよ、ちゃんと」
「うるさい。さっさと帰れ。そろそろシモンが来る」
カインの部屋から声が聞こえた。
カインと・・・誰?
聞いたことのない声だ。
誰といるんだろう。
そんなことを考えていると、突然扉が開いた。
「あ―――――」
「ん?あれ、君・・・」
目の前に現れたのは、ふわっと猫っ毛の銀髪の男の人。
人懐っこいくりっとした瞳が私を見る。


