扉の前までたどり着き、小さく深呼吸。
「よし」
カチャ。
小さく音を立て扉を開いてく。
その先に広がったのは、少しこじんまりとした六角形の部屋。
すっと高い天井、六角形の壁には大きめの窓。
その先には、天界が見渡せる。
その中の一つの窓に腰を掛け外を眺めている人影。
カインだ・・・。
憂いを帯びた表情で外を見つめている。
そんなカインに、目が惹きつけられた。
「・・・なんだ」
カインの視線がこちらへ向かう。
私は息をのみ体を強張らせた。
気づいて、たんだ。
「・・・ご、ごめん。邪魔するつもりはなかったんだけど」
しどろもどろにそう言う。
やっぱり、来なければよかった。


