俺サマ神サマ〜お前今日から俺のヨメ〜



「さ、さ、いってらっしゃいませ。カインさまも中にいらっしゃいますから」

「えっ!?カイン、中にいるの?」

「ええ。ですから、誰も近づかぬよう見張っていたのですよ」

「じゃ、じゃあ、私・・・」

「遠慮なさらず、さあ中へ!」



強引に中に押し込められた私は、出るに出られず扉に向かっていた身体をゆっくり振り返らせた。
どうしよう・・・。
先に進むしかなさそうだけど。


この先に、カインがいる。
言い合いになったままだから、少し気まずい。



私は、扉の先に続いていた階段の上を見上げた。
薄暗い階段の先にはまた扉が見えた。




「・・・はぁ」




私は意を決して足を踏み出す。
一歩一歩階段を上がっていく。
上がるたびに心拍数が上がる。



ケンカにならないように。
落ち着いていくのよ。


ケンカ腰になると、今までと変わらない。
きっと、あのライの言葉の意味も、いつまでたってもわからないままだ。