「そんなに、人間の女がいいのかよ」

「・・・ももこには、ずいぶん嫌われたようだがな」



吐き捨てるような声。
足音が近づいてきて思わず本棚の陰に隠れた。



カインが出て行ったのをこっそりと見た。




「おい。いるんだろ」




ライの声が響いて型を震わせた。
き、気づいてたんだ。



「・・・ごめん」

「お前さ、いい加減にしろよ」

「え・・・」

「お前の事、少しは認めてやってもいいって言ったけど、俺はお前に怒ってるんだからな」




眉間にしわを寄せ怒った表情のライ。
最初から、私を目の敵のようにしていたけど・・・。
それは、私がカインとあまりうまくいっていないから?