あいつが、その婚約者とうまくいってくれるなら私にとっても好都合なはずだ。 そうすれば私は、元の世界に戻れるのだから。 それなのに、私の足は勝手に動き出し、その場から逃げ出していた。 なんで、こんなにも胸が騒ぐの。 あいつが変なことを言うからだ。 拒絶するくせに、優しくしたりするから。 「わっ」 闇雲に走っていると誰かにぶつかった。 優しく抱きとめられ私は立ち止まる。 「ももこさん?」 優しい声が聞こえる。 私はその声の主を見上げる。 「ヨウさん・・・」