「そうじゃなくて、でも、ちょっと怒らせたみたいだったから」

「カインさまは公務に忙しくされておいでなのです。ですから、心配いりませんよ」

「別に心配とか・・・」

「昨日、お会いしましたが、いつもと御変わりない様子でしたよ」

「そう・・・なら、いいけど」



なんだかスッキリしないけど、怒っていないなら別にいいか。
なんだかんだと、結局カインに振り回されている様で複雑な気分だ。




「ももこさま、それより、しばらくは部屋からお出にならないほうがよろしいかと・・・」

「え?どうして?」

「それは・・・」




モリアが言いよどむ。
部屋を出ない方がいいなんて、いったい何があるというんだろう。

別に、出歩く用も特にはないんだけど。




「モリアがそう言うなら、部屋にいるよ」

「はい。それがよろしいかと」




モリアはホッとしたように笑う。
なんだか、言い辛いことでもあるんだろうか。