忘れてるって、自分の命の事なのに?
私が言葉を失うと、ライはそのまま話を続けた。



「お前はさ、自分の命が誰かが握ってる。そいつが死ねば自分も死ぬって言われて、ピンとくるか?」

「・・・・え?」

「俺は、ピンとこねぇよ。俺の命は俺のモノだ。間違ってるか?」





ライは、まっすぐだった。
本気でそう思っている、そんな瞳で。

スイは、天界のため、自分のために護ってるって言っていた。
それだって間違いじゃない。
でも、ライはそうじゃないだけ。
皆、それぞれ違う気持ちでカインの事を護ってるんだ。




「あいつを護りきれなくて結果、自分も死んだとしても。それは俺が弱かっただけだ」

「・・・ライ」

「それなのにあいつは、全部一人で抱え込もうとする」




ライは憤りを感じたような表情で呟いた。
どういう意味だろう。





「ライ?」

「ん?ああ、なんでもねぇ。ってか、なんでお前にこんな話してんだ、俺は」




ライは乱暴に頭をかくと立ち上がった。