カインの気まぐれに、振り回されちゃだめだ。
私は、自分のいた場所に帰らないといけないんだから。




私は、決意を固め、少し離れてしまった距離を埋めるように駆け出した。





「呑気に女とデートか?神サマ」





突然聞こえたドスのきいた声。
一気に雰囲気が飲まれた。



真っ青な空に、不釣り合いな黒が浮かぶ。





「か、カイン・・・」

「下がっていろ」




カインが私を庇うように手を広げる。
悪神、と呼ばれた黒い羽の人。
相手は一人・・・。

でも、敵はカインを狙ってるんだよね?