顔に血が集中していくのがわかる。
絶対、赤くなってるよぉ。
「ち、ち、違うわよっ!」
パタパタと身体を捩る。
男の下から逃れようと暴れた。
男は眉を一瞬寄せると私の手首を掴み、床に押し付けた。
それで、私は一瞬で動きを封じられてしまった。
「お前、気に入らん」
「はっ――――――?」
なにが、と続けようとした唇は、いとも簡単に塞がれてしまった。
その男の唇によって。
目を見開く。
キ、キス――――――!
「目くらい閉じろ」
機嫌悪そうに言われ、ようやく我に返った。
な、な、な、一気に正気に戻り、ワナワナと体が震える。


