次の日、関口と2人で学校に行った。
乃絵琉はあからさまに呆れた顔をしていた。
「おはよ、乃絵琉」
「はよ、結穂。今更だけど懲りないねぇ?」
「はは……。もうしょうがないんだよね。癖だから」
「んな癖あるか!」
2人で笑い合ってると、いつもよりちょっと早く先生が入ってきた。
「えーっと、今日は転校生が来ました」
やる気のなさそうな若い男の担任は、女子から人気が高い。
…てか本当に来たんだ、転校生。
「入ってこい」
先生のその合図で入ってきたのは、男。
そして、顔を見た瞬間。
息が詰まった。
「……な、んで…?」
その転校生は………竜樹に、ものすごく似ていた。
優しそうな雰囲気も、目元も、身長も体型も、顔つきも、声も。
「変な時期ですが転校してきました。野木 竜樹(のぎ たつき)です」
………そして、名前も。
名字も一字違いで、名前の漢字は同じ。
こんなの…ありえない。
