ーーー……
次の日、月曜日。
今日は竜樹が塾らしくて、彩と帰る予定だった。
でも、彩にも用事があるっぽくて、他のクラスの家が近い子と帰る事になった。
その子とは小学校が一緒で、その時は結構喋ったけど、
今はクラスも離れて、全然話さなくなっていた。
久し振りに喋ったその女の子は、明るくて、話しやすいのは変わっていなかった。
その時あたしは、その時間を楽しんでいた。
懐かしい、っていうのもあるけど、その子と気があうからだ。
でもあたしは、馬鹿だった。
疑いもしなかった。
絆ほど厄介なものはないんだね。
数日後、あたしはそれを、身を以て(もって)学ぶんだ。
ーーー……
そしてまた、次の日。
今日は竜樹と帰れるらしい。
「ねえ、竜樹。高校どこ行くの?」
今思えば、1回も聞いてなかったな。
「ん〜、俺? I 高校だよ」
「本当に?頭いいんだね、竜樹」
その高校は、ここら辺でトップの学校。
「そんな事ないよ。でも、吹奏楽も強いからね」
「へ〜、そうなんだ!」
竜樹は高校でも吹奏楽やるって言ってたしなぁ。
「ねぇ、結穂」
「なに?」
竜樹が思い出すように言った。
「そういえば、明日から毎日塾入っちゃってさ……一緒に帰れないんだ」
「……あ、そうか…受験生、だもんね!大丈夫だよ、頑張って!」
結構悲しいけど、そろそろ頑張らないといけないからね。
竜樹の為だ!
そう自分に言い聞かせた。
