気持ち悪い。
これが、悪寒。
本当はこんなこと、したくないのに…
「…なんだその反抗的な目は。
ふふ、調教のしがいがあるなぁ…」
パシッ
「…っ、」
僕は思いっきり、頬を叩かれた。
『…っどうした、おい…鍵がかかってるじゃないか、開けろ。』
ドアの向こうで、零央さんが言った。
「零央を…困らせたくないんだろう?」
「…、すみません、零央さん。
何でもありませんから、心配しないでください。」
『…本当か?』
「零央は柴乃チャンが言ってることを信じないのかー…
随分な扱いだなぁ。」
『黙れ。
…せめて、ここを開けなさい。』
「…はい。」
ガチャッ
僕はドアの鍵を開けた。
さっきたたかれたところは、髪の毛で隠す。
「…心配するのは、当然だ。」
そう言って、零央さんは僕の頭を撫でる。
暖かい…
僕は、零央さんの手の温もりに浸っていた。


