「…まったく、お前の悪いところは頭の回転がよすぎることだな。」
「……っおい、なに怒って…!」
「…今後、柴乃の名に触れることは俺が許さない。」
「…っ、
はぁー…分かったよ。
俺が言ったことは図星だったって事か。」
「柴乃はなにも知らない。
施設の中で、なにも教わらなかったんだろう。
…だから、少し気がかりなだけだ。」
「だったら、俺が教えようか?」
「は…?
そんなの、駄目に決まっているだろう。」
お前と関わらせたら、柴乃がなにを吹き込まれるか分からない。
「俺、昔家庭教師のバイトしたことあるんだ。
だから、勉強なら一通り教えられるぞ。」
「しかし…」
「お前1人で、全部教えられるのか?」
…正直言って、それはかなり厳しい。
だがコイツだけは…
「大丈夫、よけいなことは教えないよ。」
「…不安だ。
だが、そうも言ってられない。
…頼めるか?」
「了解、王子様♪」
「やめろ、俺は王子じゃない。」
ピピッピピッ
そのとき、時計のアラームがなる。
「そろそろ昼休憩終わるぞ。
…あーあ、結局何も食えなかったなぁ…
会社終わったら、奢れよ?」
「はいはい、分かりましたよ。」
「よっし!」
ともあれ、俺たちは会社に戻った。


