__________
_______
___
「…きろ、起きろ柴乃。」
「…ふぁ?
…っわぁ、零央さん…!?」
「今は何時だ?」
「えっと…短い針が6、長い針が6だから…6時半ですね!」
「よくできました。」
零央さんは、優しく笑って僕の頭をなでてくれた。
「いつもこの時間に起きて、俺の朝食を作ってくれ。」
「わかりました。
朝食はどうやって作るんですか?」
「あー…そうだった。
今朝は俺のを見てて。
あと、帰りに料理本も買ってくる。」
「はい…!
ありがとうございます。」
やっぱり、零央さんは優しいなぁ…
昨日だって、僕のせいであまり寝てないはずなのに。
零央さんは、どこかの大きい会社ってところにつとめていて、そこで働かないとお金が稼げなくて、お金がないとなにもできないらしい。
お金は大切だから、必要なとき以外は使わないようにと言われた。
働けば、お金がもらえる。
お金がもらえれば、なんでも買える。
僕も、この生活に慣れたら、働いてみたいなぁ。


