*壱号side*



「おい、そっちいたか!?」

「いないぞ、クソッ…!
アイツ、見つけたらただじゃおかねぇ!」


やってしまった…

もう、後には戻れないよね。

僕は、寝間着のまま外に飛び出す。


初めて吸った、外の空気。


(冷たい…)


逃げなきゃ。

遠くへ。





「ハァ、ハアッ、ハァ…」


足をこんなに動かすのは初めてで、何度も足がもつれて転んだ。

痛…、

でも、それでも僕は『ソト』を知りたかった。

欲してしまったが最後、もう戻れない。


行く宛なんてどこにもない。

ただ、走る。



弐号、参号、ごめんね。

でも僕は、やっぱり_____