「えーーーっ!!」

百花の部屋にて。

誰かに聞いてほしくて居ても立ってもいられず。

「そっ..かぁ~」

なんだか満足そうな、お母さんみたいな暖かい笑みを浮かべてる。


「渚も恋を知ったのね!私嬉しいょ!
しかも、見る目あるじゃん。
渚面食いだったんだな!」


「百花~、あたし、付き合いたいとかそうゆんじゃないんだよ、
あたしこんなんだし、無理だってわかってるもん...

でも仲良くなりたいなぁ..
たくさん話したい..
少しでも多く知りたいんだ..」

本当にただそれだけなんだ。


「出た、無欲の渚ちゃん」

百花に揚げ足とられてもなんもいえねえ。

「それさえも図々しいことだょ~
こんなに話せるだけでうれしいんだ..
これ以上欲ばったらバチが当たるよ」

これ以上欲張りな感情が出てきたらと思うと怖い。


「渚...
できることはしよう!いい恋にしよ!」


「百花~~!!」


百花の細い肩に抱きつかずにいられなかった。

いい恋にする、出来ることをする。
うん。それだけだ。

あたしは百花に前髪をカットしてもらった。
動画を見ながら韓国のアイドルの間で流行っているらしい(百花リサーチ)シースルーバングスにしてもらった。

サイドの髪を耳にかけることにした。

百花から、ほのかに香るミストスプレーをもらった。

ただそんな事。

ただそれだけ。

少しでもかわいくなりたいって初めて思った。

でも、女の子になった気がした。
照れ臭い。