拓海くんがあたしを好きだった...


あの頃の、席を隣り合わせにしていた頃の記憶が蘇って、
キラキラと輝きだす。

素直にうれしいと思った。
また、がんばって止めた涙が溢れそうになる。

過去の、あの日のあたし、
ただかわいそうなだけだった待ちぼうけのあたしだったけど

「好きだった」

その一言で救われるようだった。

今さらかもしれないけど。

その気持ちを知らなかったときと
知った今とは
まるで世界が違うものになった。


たった一瞬にして。