夏の終わり、恋花火



「渚、最近拓海くんと仲よくない??」



あたしが、窓から拓海くんに手を振っていたのを百花は見ていた。


恥ずかしすぎ!!


「そ、そうかな!?」


「よく教科書も一緒に見てるじゃんー??」


1番前の席なのによく見てるなぁ..
抜け目のないコだ。


「いいなぁーいいなぁー
やっぱ普通に考えてかっこいいし
超いい奴じゃん?拓海くんて。」



「それはそうだね..!
こんなあたしにすら普通に接してくれてるんだもん!」


素直な本音だった。


「また渚は~!!出たー、ネガティブ発言!」


いつもの事。
自分にまるで自信がない。



「私は渚はかわいいと思うよ!ただ暗いんだよ、前髪も顔にかかりすぎだし~、
前髪も少し切って、サイドを耳にかけて顔出せばいいんだよ!!」


「えぇ~~恥ずかしいよぉ」


ほんと百花はハッキリ物事を言ってくれる。
でもあたしがかわいいっていうのは
ちょっと盛ってくれてるけど...


それに物心ついたときからこの地味ーな髪型だから...
何をどう変えていいのやら、恥ずかしすぎるよ、百花。



「もー。ほんとそーゆーとこがなんかおもしろいんだよな、渚は。」


「おもしろがるとこじゃないよー!」

何もおもしろくないでしょ。


「欲がないってゆうか、ガツガツしてないしさ。
そーゆーとこが和むんだよ。渚は。
でも髪型は変えてもいーと思うけどね」


結局褒めてくれる。あたしをよく見ていてくれて認めてくれているんだよね、百花は。


「ふふふ」


思わず微笑んでしまう。


「何を笑ってるんだか。
でも、渚が男子と普通に話しできてるなんてさ、いい事じゃん」



ほんと。それはすごい進歩だ。
そもそも拓海くんが、壁がないというか
とても話しやすい空気感を持っているんだ。


あたしをバカにしたような上からな感じがない、対等に普通に接してくれるから
あたしもあたしでいられる。


もっと話しがしてみたい、
そんな風に思うようになっていた。


あたしなんかがそんな事思うだけで図々しいってわかってます、
まさか好きになろうなんて大それた事思っているわけではなくて...

ただ、もう少し知りたい、もう少しだけ仲良くなってみたい、
ただそんな気持ちになっただけ。