夏の終わり、恋花火

「おっそいよ~早く手伝って!!」


想像以上の豪邸に足を踏み入れると、

洗練されたピカピカのオープンキッチンで、可愛いカップケーキ柄のエプロンをかけて張り切るあゆみが言った。
お肉や野菜がこ綺麗に盛りつけられている。

「あれ、光太郎まだ来てない??」

拓海くんが言う。


「まだだょー、道わからないのかな?」


光太郎くんという友達みたいだ。


ピンポーン♪


来た。



「おじゃましまーす!!」


ハンバーガーショップでちらりとだけ見たあの男の子だ。

髪を茶色に染めてちょっと派手な感じ。


「光太郎でーす!よろしくね!渚ちゃんだよね?」

軽い..。

「あっ、はい。よろしくお願いします。」

「あはは!敬語!
こないだもダッシュで帰っちゃうし、変なコだねー」


変なコって...。


でも、明るい曇りのない笑顔についつられて笑った。
笑顔がすてきな男の子だ。


それにしても、友達同士でのBBQなんて初めてで。

火を起こすこともみんなままならなくて。
最初の段階でつまづく。


「男子のくせになんて頼りにならないのよー!」
あゆみが言う。

「男とか関係ないでしょー」

情けない声で必死に火を起こす光太郎くん。

火がついたら、ついたで、火加減もコントロールできず、お肉は焦げるは玉ねぎは生焼きだわ...。


もー、誰ひとりカッコつかなくてポンコツBBQすぎて笑いが止まらなかった。

ちょっとしたことで笑ってしまう。

「渚笑いすぎー、渚なんにもしてないじゃーん」

お肉をひっくり返しながらあゆみ。

あたしこそなんにもできないから、下手に手も出さずお皿を持って待っている。

拓海くんもあゆみと仲良くお肉や野菜を焼きながら、あたしのお皿と、隣の光太郎くんのお皿に乗せてくれる。

あたしと光太郎くんはちゃっかり2人に任せて座ってる。

素直に楽しい。
笑えてる、普通に。

拓海くんとあゆみを直視できている。