夏の終わり、恋花火


地球から転がり落ちそうだ。


「森川さん!」




中2にタイムスリップしたのかと思った。
あの頃毎日聞きなれた声。

その優しいトーンに一喜一憂していたあの頃に一瞬で引き戻される感覚。


ヨロヨロと振り返る。


「た..拓海くん...」


そこに拓海くんがいる。
追いかけてきたらしい。あゆみに言われたのだろう。

「あゆみと友達だったんだ...」

「こっちのセリフ...」

「ごめん...」

「何が...??」

「.......」

何から話せばいいのやら頭が追いつかない。
息が苦しい。

「中2の夏、花火..行けなくてごめん..」

胸が張り裂けそうだ。
これはどんな感情なの?わからない...

「そっ、そんな昔の話し..
今顔見るまで忘れてたし!!
そんなことより元気そうでよかった!
あゆみにはあたし達のこと言わないから安心してよ!
てか、別に何もないけど、ははは」

なんだこのダイコン役者。

「大丈夫だから、あゆみんとこ戻ってあげて!」

あたしは駆け出した。
地球はまだグニャグニャと歪んでうまく走れない。