夏の終わり、恋花火


毎日ソワソワ眠れなかった。

生まれてから初めて男の子を好きになって
初めて自分が変わりたいって思った

かわいくなりたい、かわいいと言われたい、
もっと話したい、
会いたい、一緒に花火を見たい....

どんどん欲深くなっていく。


そして初めてのデート....
すごい進化だ、おたまじゃくしがカエルになった。


お母さんに水色の浴衣を着せてもらった。
いても立ってもいられなくて、6時半待ち合わせなのに、6時には河原についてしまった。

打ち上げ場所から少し離れた橋のふもとは、比較的人が少ないからそこにしよう、と拓海くんが決めてくれた。

早くついたので、ジュースを2本と2人で食べられるようにたこ焼きを買って
小さなベンチに腰かけた。

たこ焼き買うの早かったかな、冷めちゃうかな、なんて考えたり。

たくさんの人が楽しそうに行き交っている。

あたしは、というと、あたしごときが浴衣なんて着てきてしまって急に恥ずかしくなってしまう。引かれたらどうしよう..

こんなに待ち合わせって緊張するもんなんだ、
心拍が上がりすぎて寿命が縮まりそう。

早く会いたいけど、会いたくないような、なんともよくわからない感情。

「はーっ!」

今から拓海くんが来ると思うと顔が勝手ににやけちゃう。



拓海くん、まだかな??

携帯を見ると待ち合わせ時間を少し過ぎている。

道が混んでるのかな?

「もうついてるよ。たこ焼き買っといたよ!」
LINEしておこう。







拓海くんは、現れなかった。