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蒼斗と出店を大分まわり終えたころ、前方に見覚えのある姿が見えた。

6人といったところか。
浴衣姿の女子が3人に、私服の男子が3人。

集団は徐々に近付いて来る。

認識した見覚えのある面子にウンザリというか、あーというか……。

「おーい、ゆき!」
一人の女子が叫び、はしたなく、肘を覗かせて大きく手を振った。

私は小さく手を振りかえした。

知り合いか? という蒼斗の表情に、まぁねといった具合に苦笑する。

今更道を引き返しても遅いだろう……。

「ゆきも来ていたんだ」
ひとりの女子が言った。

「うん、まぁ……」

「隣の人は? ゆきの彼氏?」

「えっと、幼なじみのーー」

「蒼斗? 北上蒼斗?」
驚きの表情を浮かべた男子が蒼斗に訊いた。

「え? て、おまえナオヤか?」

そして、再会を喜ぶ声が一斉に上がった。